コネクテッドカー
コネクテッドカー(Connected Car)とは、通信ネットワークに常時接続し、外部とデータを送受信することで、走行データの活用や遠隔サービス、ソフトウェアの更新といった各種サービスを提供する自動車を指す。
要点(Key Takeaways)
- 通信ネットワークに常時接続し、外部とデータをやり取りすることで各種サービスを提供する自動車を指す
- 車載通信の技術基盤であるテレマティクスの上に成り立つ「事業・サービスとしての接続」の側面にあたる
- 接続を通じてOTAによるソフト更新や走行データの活用が可能になり、ソフトウェア・デファインドな車の前提インフラとなる
- ISO 20078(Extended Vehicle)は、コネクテッドビークルのデータ・機能へ標準化された方法でアクセスする枠組みを定める(特定OEMのサービス名・搭載状況は断定しない)
詳細解説
コネクテッドカー(Connected Car)は、通信ネットワークに常時接続し、外部との間でデータを送受信することで各種サービスを提供する自動車を指す。「つながっていること」そのものを車両側・事業側の特性として捉えた呼称であり、テレマティクスが車載通信の技術基盤(車両をどう繋ぐか)だとすれば、コネクテッドカーはその基盤の上に成り立つ「事業・サービスとしての接続」(繋がった車で何を提供するか)の側面にあたる。両者は地続きの概念で、文脈により重なって使われることも多い。
外部との通信は、クラウド上のサービス提供者とのデータのやり取りを中心に、走行データの収集・分析、遠隔診断、緊急通報、ナビゲーションの更新など多岐にわたる。標準化の例として、ISO 20078 シリーズ(Extended Vehicle: ExVe)は、コネクテッドビークルが持つデータ・集約情報・機能へ、標準化された安全な方法で外部からアクセスするための概念・役割を定義している。これは「コネクテッドカー=ネットワーク経由でデータと機能を提供する車両」という捉え方を、標準の側から裏づけるものである。なお、何をもってコネクテッドとするか(対象とする通信の範囲・V2Xを含むか等)は文脈・論者により幅があり、本稿は概念として扱い、特定OEMの実装やサービス名は断定しない。
接続は、それ自体が目的ではなく機能を運ぶ経路である。OTAアップデートによる販売後のソフトウェア更新も、走行データを使ったサービスも、まず車両がネットワークに繋がっていて初めて成立する。コネクテッドカーは、その「繋がり」を前提として車両の価値を組み立て直す発想の出発点に位置する。
SDVにおける位置づけ
コネクテッドカーは、ソフトウェア・デファインドな車両が成立するためのデータと通信の入口である。車両が継続的にネットワークへ繋がっていることで、出荷後のソフトウェア更新、稼働データの収集、遠隔でのサービス提供が可能になり、自動車の価値提供を「売り切り(モノ)」から「継続的なサービス(コト)」へと組み替える素地が生まれる。
言い換えれば、コネクテッド化は「販売して終わり」だった関係を、出荷後も続く関係へと開く前提条件にあたる。ソフトウェアで価値を定義し更新し続けるというSDVの中核は、その価値を届け・データを受け取る通信経路、すなわちコネクテッドであることの上に乗っている。どのようなサービスや収益の形が成り立つかは事業者の戦略により様々であり、本稿では特定企業の事業モデルを断定せず、構造としての位置づけにとどめる。
関連用語
- テレマティクス — テレマティクス(Telematics)とは、通信(telecommunicati…
- FOTA・SOTA — FOTA・SOTAとは、OTAアップデートを更新対象で分類した業界呼称であり、F…
カテゴリ: 産業・事業
出典・一次情報
- ISO 20078-1:2021 "Road vehicles — Extended vehicle (ExVe) web services — Part 1: Content and definitions" (コネクテッドビークルが持つデータ・集約情報・機能へ、標準化された安全な方法でアクセスするための概念・エンティティ・役割を定義(コネクテッドカーを「ネットワーク経由でデータ・機能を提供する車両」と捉える枠組みの一次。規格本文=有償のため逐語定義は未照合)) — ISO公式ページで照合済(HTTP 200・タイトル一致 "ISO 20078-1:2021 … Extended vehicle (ExVe) web services … Content and definitions")・2026-06-14