DDT(動的運転タスク)
DDT(Dynamic Driving Task:動的運転タスク)とは、車両を運転するために必要なリアルタイムの操作的・戦術的タスクの総称であり、操舵などの横方向制御、加減速の縦方向制御、周辺の対象物・事象の検知と応答などを含むものである。
要点(Key Takeaways)
- 車両運転に必要なリアルタイムの操作・判断の総称。SAE自動運転レベルの分類は「DDTのどの部分を運転者とシステムのどちらが担うか」で定義される
- 構成要素は横方向制御(操舵)・縦方向制御(加減速)・OEDR(対象物と事象の検知・認識・応答)など。OEDRはNIST資料で「object and event detection, recognition and classification」と記述
- 行程計画や経路選択などの戦略的機能は通常DDTに含めない(操作的・戦術的タスクに限る)。逐語の内訳は規格本文(有償)に属し未照合
- 継続不能時の対応である「DDTフォールバック」はDDTの一部/延長として位置づき、最小リスク状態(MRC)への移行につながる
詳細解説
DDT(動的運転タスク)は、車両を運転するために必要なリアルタイムの操作的・戦術的なタスクの総称である。具体的には、操舵などの横方向制御、加減速の縦方向制御、そして周辺の対象物・事象の検知と応答——SAE自動運転レベル(SAE J3016)の体系で OEDR(Object and Event Detection and Response)と呼ばれる機能——などが含まれる。NIST の公開資料(SP 1900-301)は、自動運転システム(ADS)が「すべてのDDTを実行可能にする」ものであること、OEDR を「object and event detection, recognition and classification(対象物・事象の検知・認識・分類)」と記述している。
重要なのは範囲の限定である。行程の計画や経路の選択、そもそも走行するかどうかといった戦略的な機能は、通常DDTには含めない——DDTはあくまで「いま運転している間の」操作的・戦術的タスクに限られる。この切り分けは、自動運転の議論で「何を自動化するのか」を曖昧にしないための土台になる。なお、DDTの構成要素の厳密な内訳や操作的・戦術的・戦略的の境界の逐語定義は規格本文(有償)に属するため、本稿はその細部を断定しない。
DDTは、SAE自動運転レベルの定義そのものを支える概念でもある。レベル分類の本質は「DDTのどの部分を、運転者とシステムのどちらが担うか」にあり、自動運転(AD)とはシステムがDDTを担う段階を指す。また、運転を継続できなくなったときの対応である「DDTフォールバック」はDDTの一部ないし延長として位置づき、その到達点が最小リスク状態(MRC)である。
SDVにおける位置づけ
DDTは、SDVにおいて「運転のどの部分がソフトウェアに移るのか」を画定する基準である。運転支援から自動運転へと自動化が進む過程は、DDTの各要素(横方向制御・縦方向制御・OEDR・フォールバック)が順次ソフトウェアへ移管されていく過程として捉えられる。とりわけ OEDR を担う知覚・判断のソフトウェアは、OTAアップデートで改良されうる一方、誤りが直接安全に響くため高い保証が要求される。DDTという共通言語は、SDVの自動運転機能が「どこまでを・どの保証水準で」担うのかを語る出発点になる。
関連用語
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カテゴリ: 自動運転・ADAS
出典・一次情報
- SAE J3016 "Taxonomy and Definitions for Terms Related to Driving Automation Systems for On-Road Motor Vehicles"(規格本体・有償) (DDT(動的運転タスク)・OEDR・DDTフォールバックの概念を定める原規格(本文は有償のため未照合・概念はNIST/公開要約で代替)) — SAE標準ページで存在確認・2026-06-10
- NIST Special Publication 1900-301 "Automated Driving System Safety" (ADSがすべてのDDTを実行可能にすること・OEDR=object and event detection, recognition and classification の記述) — NIST公式PDFで照合済・2026-06-10