UN-R157(ALKS)

英語: UN Regulation No 157 (Automated Lane Keeping Systems) 正式名称: Automated Lane Keeping System

UN-R157(ALKS)とは、自動車線維持システムに関する国連規則であり、一定の作動条件下でシステムが車線内の運転(横方向・縦方向の制御)を担い、引き継ぎ要請時に運転者へ運転を移すことを前提に、対象車両の型式認証要件を定めるものである。

要点(Key Takeaways)

  • 自動車線維持システム(ALKS)に関する国連規則で、対象は乗用車(カテゴリM1)の型式認証(原文 適用範囲1.1)
  • 作動するとシステムが車線内で車両の横方向・縦方向の動きを継続的に制御する。原規則(2021年)は作動速度を60km/h以下に限定(同 定義2.1・序文)
  • 引き継ぎ要請(transition demand)でDDT(動的運転タスク)をシステムから運転者へ移し、運転者が引き継がない場合はシステムが最小リスク操作(MRM)を行う(同 5.1.5)
  • 1958年協定の枠組みで成立した国連規則で、生産の適合性は1958年協定附則1に従う(同 第11章)。第9章はサイバーセキュリティをUN-R155、ソフト更新をUN-R156への適合で求める

詳細解説

UN-R157(ALKS)は、**自動車線維持システム(Automated Lane Keeping System)**に関する国連規則である。EUR-Lex 原文(CELEX 42021X0389)の定義によれば、ALKS は運転者によって作動され、車両の横方向・縦方向の動きを継続的に制御して車線内に保つシステムで、原規則(2021年)では作動速度を 60km/h以下(low speed application)に限定し、適用対象は乗用車(カテゴリ M1)の型式認証である。序文は本規則を「自動運転システム(ECE/TRANS/WP.29/1140 に定義)に関する最初の規制的措置」と位置づけている。

中核となる構造は、運転の主体が「システム」と「運転者」の間で移ることにある。作動中はシステムが運転を担うが、**引き継ぎ要請(transition demand)が出されると、動的運転タスク(DDT)がシステムから運転者へ移される。運転者がこれに応じて引き継がない場合、システムは最小リスク操作(MRM)**を行い、車両を安全側に収束させる。システムが運転を担うのは無条件ではなく、ODD(運行設計領域)として定義された特定の作動条件の範囲内に限られる。

この「ODD内ではシステムが運転を担い、要請時に運転者が引き継ぐ(応じなければ最小リスク操作)」という構造は、一般に SAEレベルの**レベル3(条件付運転自動化)**に相当すると分類される。ただしこれは一般的な分類であって、規則本文が「レベル3」と明記しているわけではない点には留意がいる(本規則は WP.29/1140 の自動運転システムの枠組みで自らを記述している)。ALKS は、自動運転の概念的な段階区分が、量産車向けの具体的な国際規則として制度化された代表例といえる。

SDVにおける位置づけ

UN-R157 が重要なのは、自動運転という機能が規制の本流に接続することを示すからである。本規則は1958年協定の枠組みで成立した国連規則であり、生産の適合性は1958年協定附則1に従い(第11章)、型式認証の対象となる。すなわち ALKS は、サイバーセキュリティの UN-R155 やソフトウェア更新の UN-R156 と同じ「1958年協定 → 国連規則 → 型式認証」の系譜に属する。

さらに本規則の第9章は、システムのサイバーセキュリティを UN-R155 への適合で、ソフトウェア更新を UN-R156 への適合で実証するよう求めている。ソフトウェアで運転機能を実現し、OTAアップデートで更新し続けるSDVにおいて、ALKS のような自動運転機能は、安全要件・サイバーセキュリティ・ソフトウェア更新管理が一体で課される領域にあたる。自動運転は単独で成立するのではなく、SDVを支える規制群と分かちがたく結びついている——UN-R157 は、その結節点を具体的に示す規則である。

出典・一次情報

  1. UN Regulation No 157 — Uniform provisions concerning the approval of vehicles with regards to Automated Lane Keeping Systems [2021/389] (適用範囲1.1(カテゴリM1の型式認証)/定義2.1(ALKS=作動速度60km/h以下で車線内の横・縦方向制御)/引継ぎ要請(transition demand)=DDTをシステムから運転者へ移転・運転者が引き継がない場合は最小リスク操作(MRM)(5.1.5)/第9章 サイバーセキュリティはUN-R155・ソフト更新はUN-R156への適合で実証/第11章 生産の適合性は1958年協定附則1に従う/序文「自動運転システム(ECE/TRANS/WP.29/1140)に関する最初の規制的措置」) — EUR-Lex原文(CELEX 42021X0389・[2021/389])で全文照合済・2026-06-14